例年だともう少し過ぎてから古葉切りをするのですが、夏から秋の天候不順が影響してか蕾に少しでも多くお日様をあてようとの配慮です。
古葉切りはしてもしなくてもよいのです。
しかし一般に言われている効用とは別の効用もあります。
害虫の卵を産み付けられた葉の除去。
アブラムシなどは蕾の中に卵を産み付けることがあります。
これは蕾を切らなくてはなりませんので浸透移行性の農薬を使いますが、ハダニなどのダニ類、これは成虫、幼虫、卵と農薬を使い分けなければなりません。
また同じ成分のダニ剤は年に1回か2回程度しか使用することが出来ません。
使用回数を守らないとダニに抵抗性をもたれてしまいどんなダニ剤を散布しても効果がなくなってしまいます。
たんに個人的なものでは無く植物を生産する人、そしてそれを楽しむ人に多大の損害をかけることになってしまいます。
今の時期はハダニたちも活動していますが個体そのものが小さいためもあって実際にはなかなか目で見ることが出来ません。
その間に葉に卵を産み付けられて翌年になって卵から孵って、葉の目視をしていないといつの間にかダニが蔓延して手に負えなくなってしまいます。
そうなると農薬をいくらかけても効果は無くお手上げ状態に。
それらの被害をいくらかでも少なくするには寒さがきつくなってきた頃を見計らっての古葉切り。
古葉切りの方法は幾つもあります。
一部の品種、大株に育ったニゲルとチベタヌスの交配種、絹などは二度切り。
一気に切ると地上部と地下部のバランスがとれなくなってしまいますので2~3週間の時間を空けて切り取っています。
下の画像のようにまるまる古葉を切り取られているのはパーティドレス系の品種です。
オリエンタリス系の強い品種は、ちょうどい今新葉を出し始めていますので新葉だけを残して去年の秋や今年の春に出た葉は全て切り取ります。
是非とも気を付けていただきたいのは単に古葉だけを切り取ることも大切ですが蕾の先端や日に当たれなくって伸びきれなかった小さな葉、ココをよく見ると白く擦れた感じになっていることがあると思います。
目視だけで判断するのは危険ですが、そのような状態になっている場合ダニが卵を産み付けている可能性もすてられません。
それらの部分を切り取るのも必要です。
最後に使うハサミは園芸用ですと三千円ほどしますが、百円ショップなどだと三千円で30本のハサミを手に入れられると思います。
それと同時に古葉切りの作業をするときには第三リン酸ナトリウムの10~20パーセント溶液に10分ほどハサミを浸してウィルスの除去も大切になります。
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